ぎっくり腰とは、
正式には急性腰痛症と言い、多くは、突然起こる腰の痛みの総称として使われます。
目次
- 1. ぎっくり腰の原因
- 1.1 腰椎椎間関節に組織が挟まった
- 1.2 腰椎椎間板の急性損傷
- 1.3 腰の筋力低下(私見)
- 2. ぎっくり腰発症のメカニズム(私見)
- 2.1 腰の伸長性筋力低下
- 2.2 腸腰筋の過緊張
- 3. ぎっくり腰の整体施術
1. ぎっくり腰の原因
ぎっくり腰の痛みの原因として、一般的な医学書に書かれているは、
腰椎椎間関節に組織が挟まった、
腰椎椎間板の急性損傷、
などですが、ほとんどは原因が分からないものです。
私の私見では、腰の筋力低下が考えられます。
1.1 腰椎椎間関節に組織が挟まった
上下腰椎の間の椎間関節に組織が挟まると腰を丸めたまま真直ぐに伸ばせなくなります。
健康な状態では、多裂筋という姿勢を保つ腰の筋肉が、椎間関節まわりの組織の挟み込みを防ぎますが、
多裂筋が疲労してタイミングが遅れて、組織の挟み込みが起こる可能性があります。
1.2 腰椎椎間板の急性損傷
上下腰椎の間の椎間板が断裂した状態。
元々、慢性腰痛があった、
痛くなったとき「プチッ」と音がした、
安静にしていても痛い、
ほとんど動けないほどの痛み、
という場合、椎間板急性損傷の可能性があります。
時間の経過とともに筋力低下、感覚鈍麻などがでてくる場合もあります。
最初の2~3週間に適切な治療をしないと将来、椎間板ヘルニアに移行する可能性が高くなります。
腰椎椎間板の損傷が考えられる場合、整形外科の受診をお勧めします。
1.3 腰の筋力低下(私見)
自分がぎっくり腰になった時は、
腰の伸筋(脊柱起立筋、主に多裂筋)に力が入らず、そのまま崩れるような感覚がありました。
腰の筋力が低下している状態で、腰に大きな負荷がかかり、筋力の限界を超えてしまった状態です。
綱引きで例えれば、
拮抗していたのが、片方が一方的に勝り敵側が崩れ引きずられる状況です。
2. ぎっくり腰発症のメカニズム(私見)
ぎっくり腰発症のメカニズムは解明されていません。
ここでは、
私がぎっくり腰になったときの経験と、
ぎっくり腰の人を診てきた経験から、
考えられることをお話します。
2.1 腰の伸長性筋力低下
筋肉は長時間伸ばされると、正常な筋長の範囲でも筋力低下を起こします。
これは伸長性筋力低下といいます。
草むしりや、風呂の掃除、床拭きなど、
長時間しゃがんでいたり、前かがみの体勢が続くと、腰の起立筋(主に多裂筋)が伸長性筋力低下を起こします。
筋力低下を起こしている状態で、
急に立ち上がったり、
身体を捻ったり、
重い物を持ったりすると、
必要な筋力が発揮できず、瞬間的に筋肉が過度に伸ばされ傷み、ぎっくり腰を発症します。
対策
伸長性筋力低下を起こした筋肉は、良い姿勢を続けることで、少しずつ回復します。
該当の筋肉のストレッチや筋トレでは伸長性筋力低下は回復せず悪化します。
2.2 腸腰筋の過緊張
腸腰筋(股関節の屈筋)が過緊張すると、股関節の伸展が制限され、
股関節の伸展制限は腰椎の伸展で代償されるため、腰の脊柱起立筋(主に多裂筋)に余計な負荷がかかります。
また、腸腰筋が緊張すると、大殿筋に相反抑制がかかり、骨盤を安定させる力が入らなくなります。
この状態のとき、
急に立ち上がったり、身体を捻ったり、重い物を持ったりすると、さらに腰の脊柱起立筋に負荷がかかり限界を超え、ぎっくり腰を発症します。
対策
腸腰筋のストレッチや、大殿筋の筋力強化を行います。
⇒ページ先頭へ戻る3. ぎっくり腰の整体施術
ぎっくり腰の多くは、腹筋や腸腰筋などの屈筋が緊張して硬くなっていることが多いため、それら緊張している筋肉を緩めます。
状態に応じて、大殿筋やハムストリングスの筋力強化を行います。