主訴
特に左、
40歳代、男性、
物を持って動くことが多い仕事をしている。
問診
痛む部位は?
腸骨稜後面、
大転子の上やや後方、
下前腸骨棘(AIIS)のあたり。
痛みの種類は?
張ってくるような痛み。
いつから?きっかけは?
ここ1年くらい。
きっかけかは分からないが左の殿筋を痛めたことがある。
痛むタイミングは?
仕事で疲れてくると痛くなる、
今は痛く無い。、
最近では2週間くらい前に出た。
評価
動作での痛み確認
立位で、
後屈、側屈、回旋のそれぞれ最終域で腰(胸腰筋膜の外側あたり)に軽い痛みが出る。
股関節は軟らかく、前屈すると床に手が付く。
仙腸関節の可動性検査
立位、
両側仙腸関節可動性なし。
座位、
右側仙腸関節可動性なし。
上部胸椎の可動性
座位、
首の前傾と後傾で右側上部胸椎可動性なし。
股関節の可動性
SLR、内転、外転、回旋、可動域は標準より広め。
側臥位での股関節屈曲、
両側とも膝が胸につく。
側臥位での股関節外転、
可動性は標準よりあるが、左右を比較すると右側がやや制限あり。
脊柱の可動性
伏臥位での脊柱可動性検査、
右から押したとき、腰椎全体と上部胸椎はほとんど可動性がない。
多裂筋は、触った感触では硬くはなかったが平均より発達していると感じた。
施術
六層連動操法
両側仙腸関節、
肋椎関節、
胸肋関節、
肋骨間、
脊柱全体(クロックダイヤルリリース、腰椎)(右側腰椎重点的に)
対側の筋を使った神経筋反射療法
両大殿筋の筋活性化と強化。
施術後評価
脊柱の腰椎全体と上部胸椎の可動性は8割くらい改善した。
左右を比較すると右から押したときの可動性が少し重い感じがある。
立位での、
後屈、側屈、回旋のそれぞれ最終域で腰(胸腰筋膜の外側あたり)に出ていた痛みは改善した。
主訴の『疲れると腰、臀部、股関節が痛い』については、今は確認できないためしばらく様子をみてもらう。
考察
腰椎椎間関節の可動性がなかったため、その部位の脊柱起立筋が緊張し硬くなり機能していないと想像できる。
仕事で疲れてくると、脊柱起立筋が機能していない分、他の部位に過大な負荷がかかり痛みが出ると考える。
痛みは緊張から血流が悪くなりブラジキニン(痛みを引き起こす化学物質で血管拡張作用がある)が分泌されることによると考える。
痛くなる部位は、
中殿筋の筋腹、
胸腰筋膜の腸骨稜の付着部、
大腿直筋の付着部と考えられる。