腰椎分離すべり症

腰椎分離症とは、

腰椎の椎弓部で関節突起部と椎体部に分離したものをいいます。
発生原因は明確ではありませんが、一種の疲労骨折という見方が多いようです。

骨折してそのままになっている状態です。
腰椎4番5番(L4、L5)に多い。

腰椎すべり症とは、

下の椎体に対し上の椎体が前方(まれに後方)にずれる(すべる)ものをいいます。
仙骨の上で腰椎5番が前方にずれているケースが多いです。
ほとんどの腰椎すべり症は、腰椎分離症を伴っています(=腰椎分離すべり症)が、まれに骨の奇形や不安定性などで腰椎分離症を伴わない場合もあります。
『すべり』の程度が小さければ日常生活に支障ないといわれています。

腰椎分離症

腰椎分離すべり症の症状

腰痛や臀部痛が主で、運動時あるいは運動後や身体を使う仕事の後に出現したり悪化します。
他に下肢痛、下肢の筋力低下、知覚障害などの症状が出る場合もあります。
症状がでない場合もあります。

腰椎分離すべり症の治療

一般的な医療機関での治療は、コルセット・安静・鎮痛剤・手術(脊椎固定術)などですが、コルセットや鎮痛剤で分離したものがくっつく(治る)ということはありません。

腰椎分離症、腰椎分離すべり症

当院では、症状を改善、緩和させるための施術を行います。
分離している部位の矯正は、やり方によっては悪化させてしまいますので、すべりの程度を小さくする矯正以外は禁忌です。

背骨の一部の骨の動きが悪くなると、その上下の骨が補うように動きます。
これを補正作用といいます。
もし分離している骨の上か下の骨が動かなくなると、その分離している骨が余計動くことになりますので症状は悪化します。
この動きの悪い骨の可動性をよくして分離している骨の負担を軽くすることで症状の改善をはかります。

症状を改善させることはできても、分離した骨は自然にくっつきませんので、脊椎分離症そのものは治りません。
また、カイロの検査では脊椎分離症やすべり症の判定はできません。
骨の奇形や背骨の数が人より多かったり少ないこともありますので、一度、整形外科でレントゲンを撮ってもらっておくと後々どんな治療を受けるにしても重宝します。

下のレントゲン写真は64歳女性で、腰椎4、5番に分離すべり症があります。
右に臀部痛がありましたが、下部胸椎~腰椎2番と骨盤矯正を繰り返し、徐々に症状は出なくなりました。
分離すべりの部位に痛みはありませんでした。(左右のレントゲンは同じ物です)
腰椎分離すべり症のレントゲン写真