主訴
車(セダンの乗用車)から降りるとき腰が痛い。
一昨日から右腰も痛い。
70歳代、男性。
問診
痛む部位は?
左仙腸関節と右腰仙部のあたり。
痛みの種類は?
ズキッとくるような痛み。
いつから?きっかけは?
左腰は3週間くらい前、
右腰は一昨日から。
きっかけかは分からない。
痛むタイミングは?
車から降りるとき痛む。
評価
動作での痛み確認
立位でしゃがんでから体勢を戻す(立ち上がる)ときに軽い痛みが出る。
仙腸関節の可動性検査
立位、
右AS腸骨、左PI腸骨。
座位、
右AS腸骨。
上部胸椎の可動性
座位、
首の前傾で右側上部胸椎可動性なし。
股関節の可動性
SLR、内転、外転、回旋で、特に痛みや制限は感じない。
側臥位での股関節屈曲、
両側とも特に制限はない。
側臥位での股関節外転、
両側とも腰と体幹にやや可動制限がある。
脊柱の可動性
伏臥位での脊柱可動性検査、
右腰椎全体と上部胸椎はほとんど可動性がない。
施術
六層連動操法
仙腸関節から体幹を全体的に調整した。
仙腸関節、
肋椎関節、
胸肋関節、
肋骨間、
胸椎(上部の右側が特に硬かった)、
腰椎(右側が特に硬かった)
健側の筋を使った神経筋反射療法
腸腰筋の筋緊張緩和。
施術後評価
最初の動作での痛み確認で、立位でしゃがんでから体勢を戻すときに出た痛みは出なくなった。
主訴の『車から降りるときの腰の痛み』については、今は確認できないため車使用時に様子をみてもらう。
考察
右腰椎椎間関節の可動性がなかったのと、仙腸関節の可動性が左右非対称だったため、車を降りる際、一旦腰を曲げてから伸ばすときの各部位の動作の連携が取れていなかったと思われる。
そのため、仙腸関節周りの靭帯や脊柱起立筋などの組織に一時的に過負荷が掛かり痛みを発していたと考えられる。
胸椎と胸郭も関節の可動性も悪かったため、全体的な運動の連携を考え調整した。
また、腸腰筋の筋緊張があると腰を曲げてから伸ばすとき、スムーズに腰が伸びない可能性があるため神経筋反射療法で緩和した。