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臀部痛

座るとお尻が痛くなってくる

臀部痛の原因として、組織がイスに当たっている痛み、筋肉トリガーポイントの関連痛、神経痛などが考えられます。

筋肉が短縮して硬くなっている

大殿筋が弱くなっていたり、やハムストリングス、大内転筋といった坐骨に付着している筋肉が短縮して硬くなっていると、
血行不良になり筋肉痛が起こりやすくなったり、
イスに座ったときの坐骨の当りが強くなり組織が傷みます。

ハムストリングスや大内転筋の坐骨付着部

ハムストリングスや大内転筋の坐骨付着部

ハムストリングスの硬さ検査

仰向けに寝た状態で、片脚を伸ばしたまま上げます。
股関節が80°くらい曲がるのが標準ですが、30~40°くらいしか上がらない人は、ハムストリングス(大腿裏の筋肉)が短縮して硬くなっているか、緊張して張っている状態です。
ハムストリングスの短縮や緊張は坐骨での付着部位や仙結節靭帯の緊張を高めるため、イスに座ったとき坐骨の当りが強くなり組織が傷みます。

座るとお尻が痛い場合の、ハムストリングスの硬さ検査

筋肉が軟らかく柔軟性がある人では、お尻回りの筋肉がうまく制御されていないと思われるケースも稀にあります。
立位で前屈をするとき、
状態が先に曲がり、遅れて股関節が曲がるような方です。

骨盤の歪み

通常、座るとき床や椅子の座面に坐骨が当たり、上体の重みは主に坐骨で支えます。

骨盤が前に傾いていると(骨盤前傾)(座ったときに腰がピーンと真直ぐになってお尻を後ろに付き出す姿勢)、
大腿骨が内側に捻れる(内旋)ため、お尻の奥の筋肉が横に伸ばされ緊張します。
また、イスに座った時にお尻の外側が持ち上がるため、坐骨に掛かる負荷が大きくなります。
さらに、坐骨神経の圧迫も強くなるため、坐骨神経痛やシビレが出やすくなります。

骨盤が後ろに傾いていると(骨盤後傾)(座ったときに坐骨が前にずれ腰が丸まった姿勢)、
坐骨と仙骨の下端が広がるように力がかかり、上体の重みが靭帯にかかり靭帯が無理引き伸ばされ緊張します。
また、イスの座面に当たっている筋肉の圧迫が強くなります。

座ったときに坐骨が前にずれた状態

座面の高い椅子に座ることで、大腿骨とハムストリングス(大腿裏の筋肉)の間を通る坐骨神経が圧迫されることがあります。

座面が高い椅子に座り坐骨神経痛

座ると痛いので中腰や膝をつくなどして仕事をしていると、今度は背中や腰に負担が掛かってきますので、他の部位も痛くなり歪みがどんどん広がって悪循環になっていきます。

筋肉の衰えからくるシビレ

お尻の筋肉が痩せてしまうと、座ったときに坐骨神経の圧迫が強くなり、太ももや足に痛み(坐骨神経痛)やシビレが出ることがあります。
この場合、椅子の高さを調整したり座面を軟らかい物に変えると症状が治まることもあります。

一週間くらい寝込んでいると筋肉はかなり衰えます。
この場合、スクワットなど筋トレで改善することもありますが、何もしなくても数週間で回復します。(横になって休んでいたら治りません)
逆に、骨盤に歪みがあると筋トレで悪化することもあります。

筋肉トリガーポイントの関連痛

トリガーポイントとは、筋肉の一部が縮んで硬くなった筋硬結で、押すと痛みがあるポイントです。
トリガーポイント関連痛は該当の筋肉と離れた部位にもでます。

腰の筋肉

腰方形筋、多裂筋など腰の筋肉のトリガーポイント関連痛の可能性。

腰方形筋、多裂筋など腰の筋肉のトリガーポイント関連痛

大殿筋

大殿筋トリガーポイント(●の部分)の関連痛領域(赤い部分)
大殿筋トリガーポイントの関連痛領域

大殿筋トリガーポイントは、
筋肉の酷使、座位(特に財布を後ろポケットに入れている場合)、上り坂を歩く、水泳のクロールなどを長時間行ったり、外傷、注射の刺激、モートン病などによって引き起こされる場合があります。
(参考資料:『筋骨格系の触診マニュアル第2版、株式会社ガイアブックス』)

歩くとお尻が痛くなってくる

病院の検査では特に異常が無いのに、
数10メートル歩いただけで、
お尻や仙腸関節(骨盤の後ろの硬い部位)、太ももなどが痛くなってきて歩けなくなるけど、
少し休むとまた歩けるという間欠性跛行は、
大殿筋が働いていない可能性があります。

大殿筋は、
歩行のさい、股関節を伸展(大腿骨を前から後ろ方向に曲げる)させ、前に進む推進力を発揮します。
大殿筋が働かないと、股関節を伸展させるために、お尻の奥にある筋肉が大殿筋を補って働きますが、大殿筋ほど筋力が強くないので、すぐに疲労します。
そのため、お尻の奥が痛くなります。
また、
歩行のさい、
大殿筋

ハムストリングス(もも裏の膝を曲げる筋肉)

腰の筋肉
の順に力が入りますが、
大殿筋に力が入らないと、ハムストリングスや腰の筋肉の負担が大きくなることも考えられます。
さらに、
歩行のさい、大殿筋と同時に反対側の広背筋が緊張することで、仙腸関節を支えます。
大殿筋と反対側の広背筋の筋力バランスが崩れると、仙腸関節にかかる負荷が大きくなり、骨盤の後ろに痛みがでることも考えられます。

大殿筋が働いていない原因は、
筋力が落ちている、
仙腸関節の機能障害の影響、
拮抗筋が緊張していて相反抑制がかかっている、
などの可能性があります。

筋力が落ちている場合は、筋トレで鍛えれば良いのですが、
仙腸関節の機能障害や、拮抗筋の緊張による相反抑制がかかっている場合は、
これを解除しないと筋トレしても力が入りません。
大殿筋の拮抗筋は、股関節を屈曲(前に曲げる)する筋肉で、主に腸腰筋、大腿直筋です。
特に腸腰筋は、座っている姿勢が続くと緊張し短縮します。
腸腰筋や大腿直筋を緩め緊張をとることで、相反抑制が解除され大殿筋に力が入るようになります。

※間欠性跛行とは、
ある距離を歩くと下肢の筋肉に痛みが生じ、歩行を続けることが出来なくなり、しばらく休むと痛みが消え歩行できるが、歩行するとまた同様の痛みが出現する病態をいいます。