多裂筋の付着部(起始と停止)
起始:
仙骨背面、
後仙腸靱帯、
腰椎乳様突起、
胸椎の横突起、
第4~7頸椎関節突起
停止:
第2頸椎~第5腰椎にかけての2~4上位(起始から)の棘突起
多裂筋の作用
脊柱の安定化、
脊柱の伸展、
脊柱の側屈、
脊柱の対側回旋の補助
多裂筋の支配神経と動脈
神経:
全脊髄神経の後枝
動脈:
肋間動脈、腰動脈、肋頸動脈
多裂筋のトリガーポイントと関連痛
●がトリガーポイントの位置、
赤く塗った領域がトリガーポイント関連痛領域です。
(回旋筋と同じ)
多裂筋のトリガーポイントを引き起こす要因
筋肉の酷使(長時間前かがみや前傾の姿勢で立つったり、物を持ち上げるなど)、
身体を早く曲げたり捻ったりする動作、
長時間動かない状態でいる、
長時間座る、
悪い姿勢で座る、
脊柱側弯症、
日ごろズボンの後ろポケットに財布を入れて行動する、
外傷、
など。
身体への影響
多裂筋のトリガーポイントは、
背中の深部痛、
脊柱の動きの制限、
椅子から立ち上がったり、階段を上がったりすることが困難、
腰椎前弯の増大、
胸椎後弯の減少、
などを引き起こす傾向があります。
鑑別すべき疾患や症状
多裂筋のトリガーポイントは、
坐骨神経痛、
線維筋痛症、
肺または腹部臓器の疾患、
股関節炎、
狭心症、
仙腸関節機能障害、
椎間関節機能障害、
などとの鑑別が必要です。