広背筋の付着部(起始と停止)
起始:
胸腰筋膜(胸腰筋膜を介しT7~L5の棘突起、仙骨後部、腸骨稜の後部1/3)、
下位3本の肋骨の後面、
肩甲骨下角
停止:
上腕骨の小結節稜
広背筋の作用
肩関節を内旋、内転、伸展、水平外転、
肩甲骨(肩甲帯)を下制、
骨盤を前外側に傾ける、
両側が活動すると、脊柱の伸展、腰仙関節で骨盤を前傾、
また、下部の線維が優位に活動すると脊柱が屈曲、
呼吸補助筋として作用
広背筋の支配神経と動脈
神経:
胸背神経(C6、C7、C8)
動脈:
下行肩甲動脈(頸横動脈)、
肩甲下動脈
広背筋機能障害の影響
広背筋の筋力低下
上腕の内転や、体幹を上腕の方に寄せる動作(懸垂など)に障害が出ます。
体幹の側屈力が低下します。
広背筋の短縮
腕の挙上が制限されます。
片側の広背筋の外側線維が短縮している場合、脊柱が側弯します。
広背筋のトリガーポイントと関連痛
●がトリガーポイントの位置、
赤く塗った領域がトリガーポイント関連痛領域です。
広背筋のトリガーポイントを引き起こす要因
筋肉の酷使(ボートを漕ぐ、懸垂運動など)、
筋肉を過度に伸張する、
ぶら下がって揺れる、
雑草を抜く、
野球のボールを投げる、
反復的な肩関節の伸展、
きついブラジャーなどで筋肉を圧迫、
上後鋸筋のトリガーポイント、
など。
身体への影響
広背筋のトリガーポイントは、
休息時および筋肉の収縮時に疼痛、
患側を下にしての睡眠が困難、
広背筋が付着する脊椎の椎間関節機能障害、
などを引き起こす傾向があります。
鑑別すべき疾患や症状
広背筋のトリガーポイントは、
肩甲上腕神経の絞扼、
上腕二頭筋腱炎、
尺骨神経障害、
頸部椎間板症候群、
胸郭出口症候群、
などとの鑑別が必要です。