坐骨やお尻というよりは、肛門まわりが痛い、陰部(性器)が痛い。
股間がモゾモゾしてつい触ってしまう。
など、
陰部神経や陰部大腿神経が障害を受けると、肛門まわり(会陰部)や陰部(局部、性器)に、痛みや違和感が出る可能性があります。
『座っていると会陰部や陰部が痛くなってくるが、立ち上がると楽になる』
という場合、座ることで、陰部神経や陰部大腿神経が障害され、その神経が行っている先に痛みを感じます。
立ち上がると障害がなくなるため痛みも治まります。
これが悪化してくると、
『最初の頃は立ち上がると楽になっていたのに、最近は横にならないと痛みがとれない』
となってきます。
陰部神経は坐骨神経の近くを通っていますので、同時に坐骨神経痛が出ることもあります。
会陰部というのは、このページでは肛門とその周辺、骨盤の下側を支えるエリアを指します。
陰部というのは、性器を指します。
陰部大腿神経
局部(前側)や恥骨上部、鼡径部の痛み違和感
このエリアの神経は、腸骨鼡径神経、陰部大腿神経です。
陰部大腿神経は、腰椎1番・2番あたりから出て、大腰筋を貫通し、そけい靭帯に沿って局部にいっていますので、
猫背や腰が丸くなってお腹が圧迫されるなど、悪い姿勢の影響を受けます。
陰部大腿神経が障害される部位
陰部大腿神経は、
・腰椎1番・2番から出ていますので、この部位の背骨の捻れ
・大腰筋を貫通していますので、大腰筋の緊張
・そけい靭帯に沿って走行していますので、この部位の組織の緊張
などによって障害されます。
実際には、腰椎の捻れや大腰筋の緊張など色々重なっています。
陰部神経
陰部・局部や会陰部の痛み違和感
このエリアの神経は、主に陰部神経です。
陰部神経は、
仙椎の2~4番(S2~S4)から出て、骨盤の後側、お尻の奥の筋肉(梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋)の隙間を通り会陰や局部(性器)にいきます。
会陰神経、下直腸神経、陰茎(陰核)背神経、後陰嚢(陰唇)神経などに枝分かれします。
陰部神経が障害される部位
陰部神経は、
お尻の奥の筋肉(梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋)の隙間を通っていますので、これらの筋肉の緊張により圧迫される可能性があります。
また、男性の場合、左右の坐骨の間が狭くなると、海綿体と坐骨により圧迫される可能性もあります。
仙骨が前に傾き過ぎると、梨状筋や靭帯が緊張し(梨状筋症候群)、その隙間を通っている神経の圧迫が強くなります。
陰部神経のほかに坐骨神経、後大腿皮神経などが通っていますので、大腿の裏やお尻などに痛み(坐骨神経痛)が出ることもあります。
下腹部の痛み
大腰筋の張り、骨盤底筋の緩み、大内転筋トリガーポイントの関連痛などにより、下腹部に痛みが出る場合があります。
大腰筋の張り、骨盤底の緩み
大腰筋の張りの程度によっては、下腹部の左右片方か両方に重い感じ鈍痛や「つれる」ような張る痛みがでます。
腰椎が後わんすると仙骨の傾きも変わります。仙骨の下部(尾底骨の付いている側)が中に入っていきますので、骨盤の下部が狭くなり、骨盤底が緩みます。その結果、膀胱・腸・子宮など骨盤の中にある臓器が、圧迫されたり、下にさがったりします。骨盤底の緩みは尿漏れの原因にもなります。
大内転筋トリガーポイントの関連痛
大内転筋のトリガーポイントは、
スキーや乗馬、長時間脚を組んで座る、横向きに寝る、など
筋肉の酷使、長時間の短縮などによって引き起こされることがあります。
また、
鼠径ヘルニア、前立腺炎、内臓疾患や女性生殖器疾患、閉鎖神経または陰部大腿神経の絞扼と診断されることがあります。
※整体やカイロで、病気があるかどうかは分かりません。
まず、病院(男性は泌尿器科、女性は泌尿器科または婦人科など)で検査を受けることをお勧めします。
備忘録
猫背で反り腰の人が多い。
改善までの経過、
最初の数回、施術の翌日痛みが強く出るが、その後徐々に痛みが出なくなるケース。
最初の数回、全く変化を感じないが、その後徐々に痛みが出なくなるケース。
二回目来院時には、ほとんど痛みが無くなっているケース。
ほとんど、仙腸関節の可動化、姿勢矯正(主に腹斜筋の緊張緩和)で改善。仙腸関節はかなり硬かった人が多かった。
発症から、2カ月以内~5年以上経過している人が来院、発症からの年月と改善までの経過は無関係の印象。