主訴
1年前から頭痛(おでこの部分)。
内科で、筋肉の硬直によるものと診断され、筋肉をほぐす薬を処方してもらったが痛みが治らない。
首、肩、背中も凝りやすい。
30歳代、男性、仕事はデスクワーク。
問診
痛む部位は?
おでこの中央やや左、左目頭のあたりから髪の生え際くらいまで縦に走る痛み。
痛みの種類は?
表面がズキズキする痛み。
いつから?思い当たる原因は?
ここ1年くらい。
パソコン作業の影響?
左肩が凝るたまに痛みも。
痛むタイミングは?
仕事でストレスがかかると痛くなる、
ほぼ毎日。
朝は出ない。
評価
立位での姿勢と体幹の可動性検査
首が右に傾いている。
上体の右回旋制限。
上体の左側屈制限。
動作での痛み確認
何かの動作で出る痛みではない。
仙腸関節の可動性検査
立位、
右AS腸骨、左PI腸骨。
座位、
左PI腸骨。
股関節の可動性
SLR左30°、右40°くらい。
右股関節、外転制限。
側臥位での股関節屈曲、
硬い。両側とも90°まで曲がらない。
脊柱の可動性
伏臥位での脊柱可動性検査、
全体的に可動性が少ない。
頸椎2番と3番間の左椎間関節可動制限。
胸椎が左凸。
施術
六層連動操法で、
両側ハムストリングス、
肋椎関節、
胸肋関節、
肋骨間、
腰仙部、
多裂筋、
胸椎、腰椎(クロックダイヤルリリース、腰椎)、
頸椎2番と3番間の左椎間関節、
帽状腱膜、
他に頭蓋骨矯正(主に左顔面骨)を行った。
施術後評価
主訴の『頭痛』については、今は確認できないためしばらく様子をみてもらう。
一週間後、
頭痛が出る頻度は週2~3に減った。
その後、
施術を重ねるごとに、頭痛が出る頻度は週1~2と減っているが、通院間隔が2~3週になると頭痛が出る頻度が増えてくる。
施術で頭蓋骨の矯正を行うようになってからは、頭痛は(一か月以上)出ていない。
考察
頭痛の部位が、三叉神経の滑車上神経や眼窩上神経と重なるため、三叉神経痛の可能性がある。
上部頸椎の椎間関節可動制限があると、脳硬膜が牽引され目の奥の脳硬膜付着部に痛みが出ることがあり、近くを通る滑車上神経や眼窩上神経に影響することも考えられる。
身体の後面の筋膜ライン(スーパーフィシャル・バック・ライン)の硬さが目立ち、頸椎2番と3番間の左椎間関節や、頭痛が出るおでこの部位もこのラインに含まれるため、スーパーフィシャル・バック・ラインを緩めることに重点をおいた。
施術を重ねるごとに頭痛の頻度は減ったが、完全に出なくなりはせず、大頬骨筋のトリガーポイント関連痛の可能性を考え、頬骨を中心に頭蓋骨の矯正も行った。
頭蓋骨の動きが良くなってきたタイミングと頭痛が出なくなったタイミングは同時期と思が、頭痛の原因は色々考えられ特定はできない。