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首と肩の付け根、肩甲骨内側の痛み・症例

主訴

首と肩の付け根の背骨、肩甲骨の内側が痛くなる。
肩こり。
20歳代、女性、仕事はデスクワーク。
今(ご来院時)は凝りや痛みは感じていない。

首と肩の付け根、肩甲骨の内側の痛み(症例)

問診

痛む部位は?

首と肩の付け根から肩甲骨の内側(右)。

痛みの種類は?

鈍痛。

いつから?思い当たる原因は?

ここ1カ月くらい。
仕事でパソコン作業を始めてから。

痛むタイミングは?

毎朝起床時、首と肩の付け根あたりの背骨、肩甲骨の内側が痛くなる。
仕事の日は午後になると肩(首と肩の付け根あたり)が凝ってくる。

評価

立位での姿勢

骨盤が後傾して腰椎の弯曲が無くなっている印象。

動作での痛み確認

座位で、首の後屈で右肩甲内側に痛み。

脊柱の可動性

伏臥位での脊柱可動性検査、
全体的に右側の椎間関節の可動性が少ない。
特に胸椎1~6番あたりはほとんど可動性が無い。
肋椎関節も可動性がほとんど無い。

施術

六層連動操法

肋椎関節、
胸肋関節、
肋骨間、
胸椎(クロックダイヤルリリース)

施術後評価

座位で、首の後屈で右肩甲内側に出ていた痛みは改善。
起床時の首の付け根の痛みについては、今は確認できないためしばらく様子をみてもらう。

2週間後、
ここ2週間は起床時の痛みは出ていない。
肩こりも気にならない。

考察

よくある症状で、通常は骨盤や腰椎も調整するが、胸椎の椎間関節と肋椎関節、胸肋関節があまりにも硬かったので、ほとんどの時間をこの部位の調整にあてた。

起床時の痛みは、筋肉の血流が悪くなることで分泌されるブラジキニン(痛みを引き起こす化学物質で血管拡張作用がある)によるものと考える。
痛みが出る部位周辺の椎間関節や肋椎関節の可動性がほとんどなかったため、そこに付着する筋肉が十分に収縮できず、寝ている間は、さらに動かないため筋肉の血流が著しく悪くなり発痛物質が滞留することで朝の痛みを引き起こしていたと考えられる。

今回特に確認はしなかったが、胸郭が全体的に硬く動きが小さくなっていたため、酸素の取り込み量も少なく、疲労回復が遅い(寝ても疲れが取れにくい)と想像できる。
胸式呼吸に合わせた動きで胸郭を柔軟にする簡単なエクササイズを教えた。