動作時の首の痛み
首をある方向に動かしたとき「ズキン」とした痛みや「引っ張られるような」痛みが出る場合や可動範囲に制限がある場合、
頚椎、上部胸椎、肋椎関節などに関節機能障害の可能性や、首を動かす筋肉の連携が取れていない可能性があます。
関節包で組織の挟み込みがあると、関節がロックして首が動かせなくなります。
関節包の挟み込みは回旋筋群が疲労することで起こります。

寝違え
朝起きた時、首が少し痛いくらいだったのが、段々痛みが強くなりほとんど動かせなくなり痛みが首を捻る側に出る場合、
寝方が悪かったせいで筋肉が疲労し、関節で関節包が挟み込まれロックしている可能性が高いです。
この場合、通常1~2週で自然に治りますが、多裂筋の等尺性収縮を行い関節包の挟み込みを解除することでより早く治すことができます。
ストレッチはNG
関節包の挟み込みの場合、ストレッチを行うと悪化します。
起床時ちょっと痛かったら、そのままなるべく動かさないようにしていれば比較的早く回復するのに、ストレッチで挟まっている組織を伸ばして余計傷めてしまってどんどん悪化し首が固まってしまうということがあります。
ストレッチは、
例えば、引き出し(関節)に挟まった書類(組織)を強引に引っ張り出すようなもので、下手をすれば書類(組織)が破れて(傷んで)しまいます。
ひどくなると、防御反応が起こって傷めていない筋肉までカチカチに硬くなり、右も左も向けなくなることがあります。
首寝違えたときのエクササイズ(等尺性収縮)
本来、首を捻るとき、多裂筋が関節包の組織を引っ張り関節に挟まらないようになっています。
挟まった組織を引っ張りだすには、関節を開いた状態で多裂筋を収縮します。
例えば、左を向こうとすると首の後ろ左が痛い場合
まず、
痛みが出る手前まで首を捻ります
↓
図のように後頭の左に手を当て
首の後ろ左の痛みが出るあたりの筋肉を使い、頭を左後方に傾けるように軽く力を入れます
同時に、手で反対方向に拮抗する力を入れます
↓
頭は動かず、首の後ろ左の筋肉が収縮する状態にします
このとき、挟まれている組織を引っ張りだしています
数秒行います
↓
可動域が少し広がります
↓
再度
首を痛みなく捻れるとこまで捻って、等尺性収縮を行います
↑
以上を繰り返すことで、挟まれている組織が引っ張りだされ、首が動かせるようになります。
ある程度可動範囲が広がったら終了します。
痛みは日に日にとれていきますのでやり過ぎて返って筋肉疲労を起こさないようにします。
※実行中は痛みは出ないエクササイズです。
痛みが出る場合、やり方が違っているか挟み込み以外が原因です。
このエクササイズをやってみて痛みが出る場合は即中止してください。
肩こりや普段の姿勢から
首を捻るとき、胸鎖乳突筋、頭板状筋、頚板状筋、回旋筋群、僧帽筋、肩甲挙筋などが働きます。
デスクワークや調理などで下を向いていると、主に僧帽筋が緊張し凝り硬くなります。
僧帽筋は本来、首を捻るとき他の筋肉と協調して働くのですが、凝り固まってしまうとブレーキとなり、首を捻る動作を妨げます。その結果他の筋肉に過剰な負荷がかかることになります。
また、肩こりや普段の姿勢によっては、肩甲骨周りの筋肉が慢性的に硬くなり、その筋肉が付着する頸椎胸椎の椎間関節の可動性が無くなり関節機能障害を引き起こすことも考えられます。