咬筋の付着部(起始と停止)
起始:
浅層:頰骨弓下縁の前2/3
深層:頰骨弓内侧面
停止:
下顎枝の上半分と下顎角
咬筋の作用
側頭下顎関節(顎関節/TMJ)で下顎骨を挙上、
側頭下顎関節で下顎骨を後ろに引く、
側頭下顎関節で下顎骨を前に伸ばす、
歯をくいしばる
咬筋の支配神経と動脈
神経:
三叉神経の下顎神経前枝から出る咬筋神経
動脈:
浅側頭動脈の顔面横枝、
顎動脈の咬筋枝、顔面動脈の筋枝
咬筋のトリガーポイントと関連痛
●がトリガーポイントの位置、
赤く塗った領域がトリガーポイント関連痛領域です。
咬筋のトリガーポイントを引き起こす要因
筋肉の酷使(歯の噛みしめ、ガムの噛み過ぎ、爪を噛む癖など)、
長時間口を開けたままの体勢、
噛み合わせが悪い、
頭を前に出した体勢、
顎関節機能障害、
外傷、
精神的なストレス、
僧帽筋上部や胸鎖乳突筋のトリガーポイントによって引き起こされる、
など。
身体への影響
咬筋のトリガーポイントは、
開口制限、
上下大臼歯周辺の痛みや知覚過敏、
顎関節の痛み、
不正咬合、
上眼静脈の絞扼による眼の腫れ、
耳鳴りや耳の深部痛、
などを引き起こす傾向があります。
鑑別すべき疾患や症状
咬筋のトリガーポイントは、
顎関節の疾患、
歯科疾患、
頭痛、
副鼻腔炎、
などとの鑑別が必要です。