便秘には、色々なタイプがあります。
慢性の便秘では、弛緩性、習慣性、痙攣(けいれん)性、症候性があり、
急性の便秘では、一過性単純性便秘、症候性があります。
タイプによって対処法も変わってきます。
弛緩性と痙攣性の便秘では対処法が全く逆になります。
逆の対処をすると逆効果になります。
便秘解消には、まず自分がどのタイプの便秘かを知る事が大事です。
慢性・弛緩性(結腸性)便秘
大腸の緊張低下、蠕(ぜん)動運動の弱化で、便を押し出す力が不足。腹筋力の低下で排便時の腹圧が弱くなってる。
解消方法
・適度な運動
・食物繊維(※1)の多い食事(腸に刺激を与える)
※1.食物繊維は不溶性と水溶性のものがあり、不溶性の食物繊維は腸の通過が速くなりますが、水溶性の食物繊維は腸の通過が遅くなります。
慢性・習慣性(直腸性)便秘
直腸の神経が鈍くなり、糞便が直腸に送られても、便意がおこりにくくなっている。便意があっても度々我慢したり、下剤や浣腸の誤用乱用などでなります。
解消方法
・朝食を十分にとる(※2)
・朝食の前9時間程度は固形物を摂らない(※3)
・朝トイレタイムをとる
※2.「朝食を十分にとる」というのは、胃に食べ物が入ると胃結腸反射(胃大腸反射)がおこり、大腸は反射的に収縮して直腸へ便を送り出そうとします。特に空腹時に強くおこります。つまり朝食のときが一番おこりやすいので、そこでしっかり食事をとって確実に反射を起こそうということです。
※3.胃が空になっていないと大腸の中の便が一気に動く大蠕動が起こりにくくなるため大腸の中で便が渋滞します。
慢性・痙攣(けいれん)性便秘
大腸に痙攣が起こりそこが狭くなって、便の通過に時間がかかる。ストレス、自律神経とくに副交感神経の過緊張などによる。
解消方法
・刺激物(香辛料、食物繊維の多い食事)をさける
・ストレス発散を心がける
慢性・症候性便秘
腸管の病変、大腸ガン、ポリープなどによって、腸管が狭くなっている。
対処
・医療機関で検査
急性・一過性単純性便秘
ダイエットなどで食事の量が少なくなったり、生活環境の変化などで、精神的なストレスが生じた場合など、一過性のもので原因がなくなればすぐに治るもの。
対処
・特になし
急性・症候性
腸閉塞、腸ねん転など激しい腹痛や吐き気を伴うことがある。
対処
・医療機関で検査
便が硬い場合
水溶性の食物繊維を摂る。
水溶性の食物繊維は水分をある程度保ったまま出てくるため、便が軟らかくなります。手軽に毎日摂れるものでは、「大麦」や「かんぴょう」などがおすすめです。
便秘からくる症状
肌荒れ、ニキビ、吹き出物、お腹の張り・膨満感、腹痛、頭痛、肩こり、食欲不振、吐き気、体臭、口臭、不眠、イライラ、倦怠感、痔、など様々です。
全身をコントロールしている自立神経が関係してきますので影響は全身にでます。
症状が出てしまうと、その症状自体は便秘が改善されてもすぐ消えないことがあります。
施術
自律神経の失調から便秘になっている場合、改善されるまでは時間がかかります。
お腹が硬くなって腸が自由に動けなくなり便秘になっていることもあります。その場合セルフでできるお腹のマッサージで便秘が改善することもあります。
浣腸や食生活の改善など便秘のタイプに応じた対策と平行して取り組む必要があります。