睡眠障害には、量的異常とリズムの異常があります。
量的異常には、睡眠傾向が減退する不眠症や、
逆に睡眠傾向が亢進する過剰睡眠があり、その代表的な疾患に、ナルコレプシーがあります。
不眠症
不眠症とは、寝付けない・眠りが浅い・途中で目が覚める・早く目が覚める、など睡眠に入ることや、睡眠の継続ができず、これが慢性化している状態をいいます。
入眠障害・熟眠障害・早期覚醒に分類されます。
入眠障害とは、
眠ろうとしてもなかなか眠れない、寝つきが悪いケースです。
熟眠障害とは、
眠りが浅いと感じたり、眠りの途中で目が覚めてしまう(中途覚醒)ケースです。
早期覚醒とは、
朝早いうちに目が覚めてしまい、そのまま眠れなくなってしまうケースです。
不眠症の原因
一般的にいわれる原因としては、
●騒音、暑い、寒い、など外部環境
●悩み、心配事、怒り、などのストレス
●深夜勤務など昼夜が逆転するような生活習慣
●身体疾患や脳の器質的疾患
●精神分裂病、躁うつ病、神経症や性格障害などの精神的な疾患
●飲酒や薬物中毒
●夜のパソコン使用→青色波長の光(ブルーライト)を見すぎると眠気を催すホルモン(メラトニン)が分泌されなくなる
●自律神経失調症
などが上げられます。
不眠症の治療法
不眠症の一般的な治療法としては、
●睡眠薬を使う薬物治療
●生活習慣の改善
●リラックス療法
●精神療法
●高照度光療法
などが上げられます。
ナルコレプシー
ナルコレプシー(ナルコ=眠気、レプシー=発作)は神経疾患の一種です。
ナルコレプシーの症状
日中の傾眠傾向が長期間続く
バスや電車の中、会議の席上などでも容易に眠りこけてしまう。という特徴があります。
睡眠発作
歩行、運動、会話中など、通常、居眠りすることのないような状況で、突然睡眠に陥ります。
脱力発作(精神性脱力発作)
大笑い、驚く、怒るなどの強い情動と関連して、全身あるいは一部の随意筋に突然、脱力または麻痺が起こります。
入眠時幻覚
入眠期に半覚醒状態で、寝室に何者かが押し入ってきて襲われそうになるなど、現実感と恐怖感を伴う幻視、幻聴、幻触などを体験します。
睡眠麻痺
しばしば入眠時幻覚と一致して全身の脱力状態が起こります。
金縛りで身動きできず声も出せない状態になります。
夜間の睡眠障害
中途覚醒が多く睡眠が浅くなります。
ナルコレプシーの原因
ナルコレプシーの原因は不明で、遺伝性と考えられるものや、頭部外傷、脳炎などの後遺症としても現れることもあります。
レム睡眠が、入眠直後や覚醒時など通常出現しない時期に出現してくることから、レム睡眠中の神経生理機構と密接に関連しているものと考えられています。