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手首の動きが悪い、重い物を持てない・症例

主訴

右手首の動きが悪い。
重い物を持てない。
40歳代、男性。

問診

症状は?

右手。
右手首の動きが悪い、可動範囲が狭くなった。
強く握れない。
重い物を持てない。
何もしなければ痛みはないが、曲げると少し痛む。

日常困ることは?

通勤で使う自転車のハンドルをちゃんと握れない。
手首の可動域が狭くなってギターを弾けなくなった。

いつから?きっかけは?

2カ月くらい前、自転車で停止した際、ペダルから足が離れず横に倒れ、アスファルトに右手を着いた。
そのとき特にひどい痛みは無かった。

他での治療は?

整形外科を受診。
レントゲン検査では手首の骨折はなかった。
特に治療はしていない。

過去に骨折や手術は?

20年くらい前に、右前腕骨折(尺骨、橈骨)し現在もボルトが入ってる。

評価

触診

右手豆状骨のやや遠位(有鉤骨)が掌側にかなり凸になっている。
有鉤骨が豆状骨より出ている。

動作での可動域の確認

左手首と比較すると、背屈、掌屈、尺屈、橈屈で制限、掌屈は左手の半分以下。

仙腸関節の可動性検査

立位、
右AS腸骨、左PI腸骨。

座位、
右AS腸骨。

脊柱の可動性

伏臥位での脊柱可動性検査、
右上部頸椎はほとんど可動性がない。

施術

六層連動操法

股関節、
肋骨全般、
多裂筋、
クロックダイヤルリリース(右上部頸椎)、
右手根骨

施術後評価

有鉤骨が可動し、有鉤骨の凸は目立たなくなったが、左と比較するとまだ出ている。
右手首の可動域は左手と比べ8割くらいに改善した。

2回目の施術、約10日後、
最初よりは改善しているが、まだ自転車のハンドルをちゃんと握れないのと、重い物が持てない。
有鉤骨と第5中手骨間の調整に時間をかけた。
他の部位も必要に応じて調整した。

3回目の施術、約3週間後
日常困らないくらいには改善している。
ギターも弾いている。
有鉤骨の出っ張りはほとんど分からないくらいになった。
必要に応じて全体を調整した。

考察

有鉤骨に対し第5中手骨が背屈して固定されているような変位をしていた。
最終的に手根骨全部の可動性と、有鉤骨と第5中手骨との間の可動性を改善することで、手関節の可動域が広がった。
自転車で転倒して手を着いたとき、有鉤骨に対し第5中手骨が過度に背屈してそのまま戻らなくなり、他の手根骨にも波及したと考えられる。

自転車で転倒した際、体幹なども捻った可能性が考えられるため、股関節から脊柱、胸郭なども状態を見て調整した。