僧帽筋の付着部(起始と停止)
起始:
上部線維:
外後頭隆起
後頭骨上項線の内側1/3
項靭帶
第7頸椎棘突起
中部線維:第1~5胸椎棘突起
下部線維:第6~12胸椎棘突起
停止:
上部線維:鎖骨の外側1/3、肩峰、
中部線維:肩峰の内縁、肩甲棘の上唇、
下部線維:肩甲棘の内側の結節
僧帽筋の作用
上部線維:
肩甲胸郭関節で肩甲骨を挙上、
肩甲胸郭関節で肩甲骨を内転、
肩甲胸郭関節で肩甲骨を上方回旋、
脊椎関節で頭部および頸部を伸展、
脊椎関節で頭部および頸部を側屈、
脊椎関節で頭部および頸部を対側回旋、
中部線維:
肩甲胸郭関節で肩甲骨を内転、
下部線維:
肩甲胸郭関節で肩甲骨を下制、
肩甲胸郭関節で肩甲骨を内転、
肩甲胸郭関節で肩甲骨を上方回旋、
呼吸の補助
僧帽筋の支配神経と動脈
神経:
第11脳神経(副神経)の脊髓部、
頸神経前肢(C2、C3、C4)
動脈:
下行肩甲動脈(頸横動脈)
僧帽筋のトリガーポイントと関連痛
●がトリガーポイントの位置、
赤く塗った領域がトリガーポイント関連痛領域です。
僧帽筋のトリガーポイントを引き起こす要因
僧帽筋上部は、
筋肉の酷使(日常的に肩をすくめている、頭を前に出した体勢、パソコンの操作、耳と肩で電話を挟むなど)
重い荷物を肩で引き上げる、
重い荷物を肩に掛ける、
外傷、
きついネクタイやシャツの着用、
ブラジャーの紐がきつい、
重いバックパックを背負う(胸部の締め付けがきつい)
慢性のストレスや緊張で肩に力が入っている、
など。
僧帽筋中部は、
日常的に肩を丸める姿勢。
僧帽筋下部は、
手でアゴを支える、座っているとき椅子の座面を手で押し下げるなど、日常的に肩甲帯を押し下げる、
など。
身体への影響
僧帽筋上部のトリガーポイントは、首の側屈制限、同側回旋制限、首の対側回旋時の痛み、肩こり、筋緊張性頭痛、
僧帽筋中部のトリガーポイントは、僧帽筋中部の筋力低下を起こし方が突出し猫背になる、
僧帽筋下部のトリガーポイントは、灼熱痛や僧帽筋下部の筋力低下し肩をすくめる姿勢になる、
僧帽筋すべての部位のトリガーポイントが、付着する脊椎の椎間関節機能障害、
などを引き起こす傾向があります。
鑑別すべき疾患や症状
僧帽筋のトリガーポイントは、
頸部椎間板症候群、
顎関節症、
大後頭神経痛(頭部神経痛)、
などとの鑑別が必要です。