排尿障害

代表的な排尿障害としては、尿失禁、尿閉、排尿困難、頻尿などがあり、
排尿に関わる器官に異常があると起こります。

尿失禁

尿失禁とは、尿を膀胱の中に保持できず、無意識に漏れ出ることをいいます。
腹圧性尿失禁、神経因性膀胱、溢流(いつりゅう)性尿失禁などがあります。

腹圧性尿失禁とは、
咳やくしゃみなど強い腹圧が加わったとき尿が漏れ出るものです。

神経因性膀胱とは、
外傷や感染などで、膀胱の支配神経が障害され、排尿がうまくいかない状態の総称です。
中枢の発達していない乳幼児や夜尿症の小児などの尿失禁も、これに当ります。

溢流性尿失禁とは、
前立腺肥大や結石などで尿閉のとき、膀胱に充満した尿が尿道から溢れ出るものです。

尿閉

尿閉とは、尿が膀胱にたまっても全く排尿できないか、不完全にしか排尿されない状態です。
ほとんどは前立腺肥大や前立腺がん、尿道結石、膀胱結石などによって尿道が閉塞された場合に起こります。

排尿困難

排尿困難とは、尿意を催してから、排尿開始までに時間がかかったり、排尿時間が長くかかる状態で、尿閉より症状の軽いものです。

高齢の男性に多いのは前立腺肥大症によるものですが、
他に、尿道結石や前立腺がんなど尿道の通過障害、膀胱収縮の減退(神経因性膀胱)や精神的因子(排尿に対する恐怖心など)でも起こります。

頻尿

頻尿とは、「排尿回数が多い」という状態をいいます。
一般的には、朝起きてから夜就寝するまでの排尿回数が8回以上の場合を頻尿としています。
ただ、1日の排尿回数は個人差がありますので、一概に8回以上だから頻尿とはいえず、8回以下でも排尿回数が多いと感じる場合には頻尿といえます。
また、1日の排尿回数は水分摂取量や発汗量よっても異なりますので、単に排尿回数では判断できません。

頻尿の場合、膀胱炎や前立腺肥大症が疑われます。
排尿回数は、一般的に成人では、日中4~6回、夜間0~1回が正常です。