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第1脳神経・嗅神経の走行と機能

嗅上皮は鼻腔の上部を占め、篩板の下部を覆って上鼻甲介および中鼻甲介の上部に広がっています。
この嗅上皮の中にある嗅覚受容器(嗅細胞)から出ている軸索の束が嗅神経です。
左右に一対あります。

嗅神経の走行経路

嗅神経は、嗅覚受容器(嗅細胞)から篩骨の篩板にある約20個(片側)の嗅神経孔を通って頭蓋に入り嗅球に終止しています。

嗅神経、第1脳神経

第1脳神経、嗅神経、嗅球、嗅索、下から見た図

嗅神経の機能

臭いの感覚・嗅覚のインパルスを伝導します。

においの知覚

息を吸ったとき、吸気に混じっているにおい物質の分子が、嗅上皮を覆う粘液に溶け込みます。
においの分子が嗅小毛を刺激すると、嗅細胞が興奮しインパルスが発生します。
インパルスは嗅神経を伝わり、嗅球、嗅索を通り大脳皮質の嗅覚野に達し、においを知覚します。

においを知覚できる物質は、揮発性の微粒子で粘液に溶け込み、嗅小毛を刺激することができるものでなければいけません。

においの順応

嗅覚は、閾値が低く敏感な感覚ですが、においに対する順応(感受性の低下)は急速に起こります。
同じにおいを嗅いでいると、そのにおいが分からなくなります。
強烈なにおいに曝された場合、約1分ほど感受性がなくなります。
ただし、他のにおいは普通に分かり、逆に感受性が高まる場合もあります。

鼻腔は、上中下と三層になっていて、嗅細胞のある嗅上皮は、鼻腔の上部にあります。
通常、呼気と吸気は鼻腔の中部と下部を通り、上部にはほとんど外気が入らず、におい物質は拡散によって達します。
においが分からなくなったとき、強くにおいを嗅ぐことで鼻腔上部に外気が入ると、嗅細胞が刺激され、またにおいが分かるようになります。