前鋸筋の付着部(起始と停止)
起始:
第1~8または9肋骨の前外側面
停止:
肩甲骨内側縁の前面(肋骨面)
前鋸筋の作用
肩甲胸郭関節で肩甲骨を外転、
肩甲胸郭関節で肩甲骨を上方回旋、
肩甲骨内側縁を胸郭そばに保持、
上部の筋線維は肩甲胸郭関節で肩甲骨を挙上、
下部の筋線維は肩甲胸郭関節で肩甲骨を下制、
肩甲骨が固定されている場合、
胸郭を引き上げる(強制的吸気で胸郭を引き上げる)
前鋸筋の支配神経と動脈
神経:
長胸神経(C5、C6、C7、C8)
動脈:
外側胸動脈
前鋸筋のトリガーポイントと関連痛
●がトリガーポイントの位置、
赤く塗った領域がトリガーポイント関連痛領域です。
前鋸筋のトリガーポイントを引き起こす要因
筋肉の酷使、
腕立て伏せ、
パンチを打つ、
テニスラケットを振る、
ボールを投げる、
強く引く動作、
肩甲骨の外転が必要な動作、
強制呼吸、
過度に早いか長いランニング、
重い物を頭上に持ち上げる、
激しい咳をする、
など。
身体への影響
前鋸筋のトリガーポイントは、
肩甲胸郭関節で肩甲骨の内転が制限、
患側を下にして横向きになるのが困難、
深呼吸が困難、
ランニングすると脇腹に痛み、
息切れ、
などを引き起こす傾向があります。
鑑別すべき疾患や症状
前鋸筋のトリガーポイントは、
狭心症、
心臓発作の関連痛、
肋間神経の絞扼、
肋軟骨炎、
頸部椎間板症候群、
胸郭出口症候群、
帯状疱疹、
肋骨の骨折、
などとの鑑別が必要です。