小胸筋の付着部(起始と停止)
起始:
第3~5肋骨の上縁の外側面
停止:
肩甲骨烏口突起の内側面
小胸筋の作用
肩甲胸郭関節で肩甲骨を外転、
肩甲胸郭関節で肩甲骨を下制、
肩甲胸郭関節で肩甲骨を下方回旋、
肩甲骨が固定されている場合、第3~5肋骨を引き上げる(強制的吸気で胸郭を引き上げるのを補助する)
小胸筋の支配神経と動脈
神経:
内側前胸神経(内側胸筋神経)
外側胸筋神経との交通枝からのびる線維(C6、7、8、T1)
動脈:
胸肩峰動脈、内胸動脈の肋間枝、外側胸動脈
小胸筋のトリガーポイントと関連痛
●がトリガーポイントの位置、
赤く塗った領域がトリガーポイント関連痛領域です。
小胸筋のトリガーポイントを引き起こす要因
筋肉の酷使、
筋肉を長時間短縮する姿勢、
日常的に肩を丸める姿勢、
吊り包帯で前腕を吊る、
腕を組んだまま仰向けで眠る、
外転した肩(片手をバンザイした状態)を下にして横向きに眠る、
杖を使用する、
心筋梗塞、
強制呼吸、
筋肉圧迫(重いバックパックの肩紐などによる)、
ライフル銃による反動などの外傷、
大胸筋のトリガーポイント、
斜角筋のトリガーポイント、
など。
身体への影響
小胸筋のトリガーポイントは、
小胸筋症候群(神経血管束の絞扼により上肢に神経血管症状)、
肩を丸める姿勢になる、
肩甲胸郭関節で肩甲骨の内転制限、
前方や上方に手を伸ばすことが困難、
などを引き起こす傾向があります。
鑑別すべき疾患や症状
小胸筋のトリガーポイントは、
胸郭出口症候群、
C7-8神経根障害、
棘上筋腱炎、
上腕二頭筋腱炎、
頸部椎間板症候群、
斜角筋症候群、
肋鎖症候群、
手根管症候群、
内側上顆炎、
狭心症、
心筋梗塞、
などとの鑑別が必要です。