整体師の目線でみた、足(ふくらはぎやスネ)が重い、だるい原因と対処法をご紹介しています。
●足のアーチを支える筋肉の疲労
足のアーチは靭帯と筋肉で支えられています。スネの筋肉と脛骨の裏(ふくらはぎの奥)にある筋肉です。
立ち仕事や通勤、デスクワークでも足を床に着いていることで、これらの筋肉が疲労し、スネやふくらはぎの奥が常に重だるい感じになります。
●下腿骨間膜の張り
下腿骨間膜(脛骨と腓骨の間の膜)が張っていると、まわりの筋肉が硬くなり血行が悪くなるため、足(ふくらはぎ、すね)が棒のように硬くなり、だるく重い冷たい感じになります。
下腿(膝から下、スネやふくらはぎ、など)の神経は、腰の骨から出て、筋肉の隙間を通っています。途中、筋肉が硬くなっていると神経が圧迫され通りが悪くなり、神経が行っている先の筋肉が重だるく感じたりします。
特に神経を圧迫する可能性が高いのが、腸腰筋(大腰筋、腸骨筋)、臀部(おしり)の奥にある筋肉(梨状筋、上・下双子筋、内・外閉鎖筋、大体方形筋)、ハムストリングス(ももの後面の筋肉/大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)などです。これらが硬くなったり張っていると、下腿(膝から下、足)特にふくらはぎがやスネが、だるい重いといった症状がでやすくなります。
鼠径部(ももの付け根の前面)では腸腰筋に重なるように、血管、リンパ管が通っています。腸腰筋が硬くなると、血管、リンパ管が圧迫され、血流が悪くなり下半身・特に足・ふくらはぎがむくみやすくなります。
それらの筋肉をストレッチして、ほぐしてあげることで神経や血行、リンパの流れが良くなり、足の症状(重い、だるい、つる、むくみ、冷えなど)が改善されます。ただ、鼠径部での神経や血管、リンパ管の圧迫は骨盤の歪みからも起こりますので、その場合ストレッチで改善されても一時的です。
静脈瘤がある場合は行わないか、静脈瘤を避けて行ってください。
>>※イスに座ったまま簡単にできるストレッチは
→ふくらはぎが、だるい、重いときの簡単ストレッチ、でご紹介しています。<<
●足のアーチを復活させる
●下腿骨間膜(脛骨と腓骨の間の膜)をほぐす
下腿骨間膜(下図参照)は、両手で下腿を左右からつかむように、前脛骨筋(スネのすぐ横)に両手の親指を重ねるように当て、他の指はふくらはぎに当て、筋肉を通して、奥にある下腿骨間膜まで圧が届くように持続圧をかけながら、前後に押すようにほぐします。結果的に足のアーチを支える筋肉もほぐれます。
(追記)自分でやる場合、脚を4の字にした体勢のほうがやり易いです。↓
●腸腰筋をほぐす
腸腰筋(大腰筋、腸骨筋)、下図の青い部位。下腹部、鼠径部、大腿骨(ももの骨)の付け根を意識して伸ばすようにストレッチする。勢いはつけず、じわ~っと10~30秒くらい伸ばす。
●ハムストリングスをほぐす
ハムストリングス(ももの後面の筋肉・大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)、仰向け(上向き)に寝て、片足を上げ、ももの後ろの筋肉から、ふくらはぎ、アキレス腱が伸びるようにストレッチする。タオルなどを足の裏に引っ掛けて引っ張ると効果的。勢いはつけず、じわ~っと10~30秒くらい伸ばす。
ご注意
気持ち良いストレッチされるような痛みでなく、いやな感じの痛みがでたら中止してください。
また、腰痛、下肢の痛みシビレや、外傷、その他下腹部骨盤まわりに病変などがある場合は行わないでください。
悪化する恐れがあります。
脛(スネ)には、前脛骨筋と長短腓骨筋、第三腓骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋があります。
前脛骨筋と長腓骨筋は第一中足骨と内側楔状骨に付着していて、足を内返し外返しするときに拮抗する筋となります。
脛(スネ)の筋肉を緩めるには、
ストレッチのように筋肉を伸ばすのではなく、20~90秒縮めます。
足を20~90秒外返しすることで、長短腓骨筋、第三腓骨筋が緩みます。(下図参照)
足を20~90秒内返しすることで、前脛骨筋が緩みます。(下図参照)
足趾を手で持って、20~90秒背屈(反らす)することで、長母趾伸筋、長趾伸筋が緩みます。
以上を行います。
縮めることで、筋肉が緩み血流が良くなり痛みやだるさを引き起こしていた化学物質が流されていきます。
強く押したり揉んだりすると毛細血管が傷つき痛みやだるさの元になる化学物質が滞留します。
グリグリ押して皮膚が赤くなるのは毛細血管が傷ついている状態です。『痛気持いい』のは強すぎです。